在宅お役立ち情報

care-eco's magazine

2022/01/13

認知症の予防方法(2)

今回は、認知機能トレーニングの効果についてご紹介します。

前回、今のところ研究でしっかりと効果が示されているのは以下の3つであることをお伝えしました。


・運動

・認知機能トレーニング

・生活習慣病の改善

・社会との交流


認知機能トレーニングにどのような効果が証明されているのかを今回ご説明します。


◆認知機能トレーニング

認知機能トレーニングとは、いわゆる「脳トレ」で、頭を使うトレーニングです。


このトレーニングの効果については大小様々な研究がありますが、一番規模の大きい研究をご紹介します。

参考文献


この研究では、認知症になっていない高齢者2,832名を対象に、


①推論トレーニング

…一定のパターンを読み取って問題を解くゲーム(例:数字の配列から次の数字を予測する)


②記憶トレーニング

…たくさんあるものを効率よく記憶するゲーム


③処理速度トレーニング

…短い時間に課題をクリアする、タイムトライアル的なゲーム


の3種類のトレーニングを受けてもらい、その効果を調べました。


その結果、10年後にはトレーニングをしていない人たちと比べて、トレーニングを受けた人たちの方が、より自立力が高い(=自分の力で生活を送る能力が高い)という結果でした。


残念ながらトレーニングを受けた人たち、受けていない人たちともに10年間で自立力は低下してしまっていますが、トレーニングを受けた人たちの方が低下はゆるやかでした。


特に、③の処理速度トレーニングを受けた人たちでの効果が一番高く、このトレーニングを受けた人たちは、何もトレーニングを受けていない人たちと比べて、約1.5倍、自立力が高いという結果でした。


この結果だけで「脳トレは認知症を予防します!」とまでは強く言えませんが、少なくとも自立した生活を送るうえで良い効果が期待できると思います。


市販されているものでは、例えば、

①の推論トレーニングは、クロスワードパズルや数独が該当します。

また、②の記憶トレーニング、③の処理速度トレーニングは、任天堂スイッチのゲームである「脳トレ」(任天堂ホームページへ)

の中にも含まれています。


元気で暮らし続けるためにも、少しずつ毎日の習慣にしてみてはいかがでしょうか。


次回も引き続き認知症予防についてご紹介します!

<終>


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安間 章裕(アンマ アキヒロ)
日本内科学会認定総合内科専門医・日本感染症学会認定専門医
2010年 浜松医科大学医学部卒業。亀田総合病院総合診療科、感染症科での研鑽を経て、茨城で在宅医療の立ち上げを行う。その後、地元である静岡県で感染症業務、在宅医療に携わっている。