在宅お役立ち情報

care-eco's magazine

2022/01/20

認知症の予防方法(3)

前回から引き続き認知症予防の方法についてご紹介します!

今回は、

・生活習慣病の改善

・社会との交流

についてご説明させて頂きます。


◆生活習慣病の改善

高血圧、糖尿病といった生活習慣病は、認知症のリスクになることが知られています。

また、これらを悪化させる要因である喫煙や肥満も、やはり認知症のリスクとなります。


ある研究では、アルツハイマー型認知症の最大約50%が、これら4つのリスクに加えて、運動不足などの3つを足した計7つのリスクのせいで起こっている、という結果が出ています。

参考文献

(少し難しい話ですが、これら7つのリスクが無くなれば、個人がアルツハイマー型認知症になる確率が半分になるわけではありませんのでご注意ください。)


分かりにくいかも知れませんが、要するに高血圧、糖尿病、肥満といった生活習慣病は、認知症のリスクとなります。


生活習慣病をお持ちの方は、認知症のリスクを減らすためにも、しっかりと治療しましょう!


◆社会との交流

今は新型コロナウィルスの影響でなかなか難しいですが、行事やイベントに参加して、他の人たちとお話をしたり交流をすることは、認知症の予防につながります。


軽度認知障害(認知症の前段階。略してMCIといいます)の方たち816名を3年間追いかけ、どんな方が認知症に進んだかを調べた研究があります。

参考文献

この研究では、家族の行事、友人宅への訪問、同好会、外食、教会への礼拝などへの参加状況について調べています。


その結果、行事やイベントに参加する種類と頻度が多い方たちでは、認知症に進む割合が低かったという結果でした。


年齢を重ねると、仕事を退職したり外出の機会が減ったりと、どうしても外との交流がへってしまいがちです。


しかし、そのまま自宅に閉じこもってしまうことで認知症になりやすくなってしまうかも知れません。


自分の興味があることや好きなことを見つけて、積極的に外に出ていくことで、気分も明るくなり、元気に過ごし続けられると思います。


以上、3回にわたり認知症の予防方法についてお話させて頂きました。

認知症の予防方法(1)

認知症の予防方法(2)


いかがでしたでしょうか。

意外と、「簡単でよく効く方法はないな…」と思われたのではないでしょうか?

例えば、「飲むだけで認知症が予防できる!」とか。


確かにそんな方法があったらいいですよね!

しかし、そのような薬やサプリが開発されるのはまだまだ先のようです。


まずは、小さいながらちゃんと効果があることを地道に積み重ねていくことが大切だと思います。


とりあえず何か一つ、始めてみませんか?


<終>


今の介護度がどれくらいなのか、おおよそのシミュレーションが可能です。

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これからの介護がご不安な方に

安間 章裕(アンマ アキヒロ)
日本内科学会認定総合内科専門医・日本感染症学会認定専門医
2010年 浜松医科大学医学部卒業。亀田総合病院総合診療科、感染症科での研鑽を経て、茨城で在宅医療の立ち上げを行う。その後、地元である静岡県で感染症業務、在宅医療に携わっている。
2022/01/13

認知症の予防方法(2)

今回は、認知機能トレーニングの効果についてご紹介します。

前回、今のところ研究でしっかりと効果が示されているのは以下の3つであることをお伝えしました。


・運動

・認知機能トレーニング

・生活習慣病の改善

・社会との交流


認知機能トレーニングにどのような効果が証明されているのかを今回ご説明します。


◆認知機能トレーニング

認知機能トレーニングとは、いわゆる「脳トレ」で、頭を使うトレーニングです。


このトレーニングの効果については大小様々な研究がありますが、一番規模の大きい研究をご紹介します。

参考文献


この研究では、認知症になっていない高齢者2,832名を対象に、


①推論トレーニング

…一定のパターンを読み取って問題を解くゲーム(例:数字の配列から次の数字を予測する)


②記憶トレーニング

…たくさんあるものを効率よく記憶するゲーム


③処理速度トレーニング

…短い時間に課題をクリアする、タイムトライアル的なゲーム


の3種類のトレーニングを受けてもらい、その効果を調べました。


その結果、10年後にはトレーニングをしていない人たちと比べて、トレーニングを受けた人たちの方が、より自立力が高い(=自分の力で生活を送る能力が高い)という結果でした。


残念ながらトレーニングを受けた人たち、受けていない人たちともに10年間で自立力は低下してしまっていますが、トレーニングを受けた人たちの方が低下はゆるやかでした。


特に、③の処理速度トレーニングを受けた人たちでの効果が一番高く、このトレーニングを受けた人たちは、何もトレーニングを受けていない人たちと比べて、約1.5倍、自立力が高いという結果でした。


この結果だけで「脳トレは認知症を予防します!」とまでは強く言えませんが、少なくとも自立した生活を送るうえで良い効果が期待できると思います。


市販されているものでは、例えば、

①の推論トレーニングは、クロスワードパズルや数独が該当します。

また、②の記憶トレーニング、③の処理速度トレーニングは、任天堂スイッチのゲームである「脳トレ」(任天堂ホームページへ)

の中にも含まれています。


元気で暮らし続けるためにも、少しずつ毎日の習慣にしてみてはいかがでしょうか。


次回も引き続き認知症予防についてご紹介します!

<終>


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日本内科学会認定総合内科専門医・日本感染症学会認定専門医
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2022/01/06

認知症の予防方法(1)

これから高齢化が進むにつれて、認知症をお持ちの方は増えてくると予想されています。

2025年には5人に1人が認知症を持つという内閣府の推計もあります。

平成29年版高齢社会白書(内閣府)


このように認知症は、もはや誰がなってもおかしくない病気となりました。

しかし、残念ながらまだ有効な治療薬がないのが現状です(2022年1月時点)。


そうなってくると、誰もが日頃から予防を心がけることが大切です。

今回は、科学的に効果が証明されている認知症の予防方法を、複数回にわたってお伝えしたいと思います。


◆認知症の予防

今のところ、研究でしっかりと効果が示されているのは以下の3つです。


・運動

・認知機能トレーニング

・生活習慣病の改善

・社会との交流


「え?これだけ?」と思われたかも知れません。

もう少し細かく見ていきましょう。


◆運動

有酸素運動(ウォーキング、自転車など長く続ける運動)が認知症を予防するという研究結果が出ています。


認知症まではいかないものの、認知機能が通常より低下している状態を、認知症の前段階としてMCI(軽度認知障害の略)と呼びます。

そしてMCIの状態の方の一部が認知症に進んでしまうことが分かっています。


このMCIの人たちに、有酸素運動を定期的にしてもらうと、運動をしていない人たちに比べて認知機能が改善するという、複数の研究結果があります(参考文献)。


劇的な効果とまではいきませんが、定期的な有酸素運動は体力の低下も防ぎますし、オススメです。


なお残念ながら、認知症を発症してしまった後では認知機能の改善効果は認められていませんが、適度な運動自体は良いことです。

認知症をお持ちの方でも、可能な範囲で積極的に運動されると良いと思います。


どれくらい運動するとよいのかまでは分かっていませんが、週に150時間(30分を週5日)あたりが目安です。

もちろん、「そんなにできない!」という方はもっと少なくても大丈夫です。

(持病が不安な方は、一度かかりつけの先生に相談してみましょう。 )

まずは始めてみて、少しずつでも長く続けることが大切だと思います。


次回は認知機能トレーニングについてご紹介します。

お楽しみに!

<終>


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安間 章裕(アンマ アキヒロ)
日本内科学会認定総合内科専門医・日本感染症学会認定専門医
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2021/12/25

「胃ろう」ってどんなもの?

皆さんは、「胃ろう」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 

また、聞いたことがある方は、胃ろうにどんなイメージをお持ちでしょうか?


近年は胃ろうに対して良くないイメージをお持ちの方も増えているように感じます。

今回は、「胃ろうってどんなもの?」「実際やった方がいい?だめ?」といった疑問にお答えしたいと思います。


<目次>

◆胃ろうってなに?

◆どうやって穴を開けるの?

◆何のためにやるの?

◆どんなメリットがある?デメリットは?

◆胃ろうは悪いこと?点滴の方がいい?

◆ご本人にとって何が大切か


◆胃ろうってなに?

まず、そもそも胃ろうとは何でしょうか。

胃ろうというのは簡単に言うと、お腹から胃に穴を開けて管を通し、口からでなく管を通じて外から胃へ、直接栄養剤を注入する方法です。

管は柔らかいプラスチックで出来ています。胃の中に入れてから水風船を膨らませて、抜けないようにします。


写真:胃ろうチューブの例


また、胃ろうは必要がなくなれば外すことができます。その場合、穴もふさがります。


◆どうやって穴を開けるの?

「お腹に穴を開ける」というと、とても怖い感じがしますよね。


大丈夫!?と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、実は胃というのはみぞおちのすぐ裏にあるので、外から簡単に穴を開けられるのです(胃の場所によってはできない方もいます)。

しかも実際の穴は直径10㎜未満で、大きい穴ではありません。

大がかりな手術が必要なわけではなく、胃カメラを使って30分ほどでできます。


しかし、全く安全とも言えず、出血したり腹膜炎(お腹の中にバイ菌が入る病気)を起こして残念ながら亡くなる方が約1%ほどおられます。


◆何のためにやるの?

一言で言えば、口から食事を食べられない場合に、生きていくのに必要な栄養(カロリー、タンパク質、ビタミンなど)を摂るためです。


私たちは、ふつうに口から食事を摂って栄養にして生きています。

しかし、様々な理由で口から食事を摂ることができなくなってしまう場合があります。


例えば、飲み込みの力が弱ってしまった時です。

普段はあまり意識していないと思いますが、食べ物を飲み込むためには、のどの筋肉がきちんと正確に動く必要があります。

そうしないと、食べ物が肺に入ってしまい、窒息や誤嚥性肺炎の原因となります。


しかし脳の病気によるマヒなどで、のどの筋肉が動かなくなってしまうことがあります。

重度の場合には、口から食べ物を食べることが一切できなくなってしまうのです。

あとは、がんで胃や食道が詰まってしまう場合もあります。


胃ろうはもともと、そのような方たちが生きていけるように開発されたのです。


◆どんなメリットがある?デメリットは?

・メリット

口から食事が摂れなくとも栄養不足を防ぐことができ、寿命を延ばせる可能性があります。

また、栄養が十分摂れることで、じょくそう(床ずれ)を防げる可能性があります。


参考記事:褥瘡(床ずれ)の効果的な予防方法


・デメリット

一番は、胃ろうの効果についてまだよく分かっていないことが多い、という点です。

実はこれまでの研究では、胃ろうによって寿命や生活の質が改善する、というデータは少ないのです。

これはあくまで平均的な結果なので、一概に全員に効果がないということではありませんが、「効果がある人もいるが、ない人も多いかも知れない」ということです。


あとは、先ほどもありましたが、胃ろうを作る際に1%の方が亡くなる可能性があります。


また、実は胃ろうを作った後も誤嚥は残ります(唾液や胃からの逆流物を誤嚥します)。そのため痰が増え、定期的に痰を取る処置が必要になる方もいます。

栄養剤を使用することにより、副作用で下痢する方もおられます。


◆胃ろうは悪いこと?点滴の方がいい?

このようなメリット、デメリットがある胃ろうですが、実際やった方がいいのでしょうか。


実は、胃ろうの良し悪しを判断することは非常に難しいのです。

なぜなら、胃ろうを始めた後の経過が人によって全然違うからです。


例えば、脳梗塞によるマヒで口から食事が食べられない人が、胃ろうをしながら栄養を摂りつつリハビリを頑張り、また口から食べられるようになって胃ろうを外せた、という人もいます。

このような場合は胃ろうをやってとてもよかったと思います。


一方で、認知症が進んでしまい意識がなくて食べられないような場合には、意識がないまま胃ろうから栄養を続けられることが苦痛に思う方もいらっしゃるかも知れません。


このような場合には、いわゆる「延命治療」に該当する可能性があります。


参考記事:延命治療、する?しない?


私自身は、延命治療が必ずしも悪いことだとは思っていません。

なぜなら、お別れまでにある程度の準備期間が必要な場合もあるからです。

延命治療を選択して後悔されたご家族もいらっしゃれば、延命治療を選択せずに、ご家族の心の準備ができる前にお別れになってしまったケースもありました。


このように、胃ろうをすべきかどうかには正解がなく、その人ごとにベストな方法を考えていかなければなりません。

大切なことは、「これからどんな経過をたどっていくのか」という鮮明なイメージを、ご本人、ご家族、関係者が共有し、それぞれの思いを話し合うことだと思っています。


また、「胃ろうは延命治療だから良くないと聞いた。点滴の栄養をやってほしい。」というお話を伺うことがよくあります。

確かに栄養剤を点滴する方法(中心静脈栄養といいます)もありますし、点滴の方が良い場合もあります。

ただ、点滴での栄養であっても、回復の見込みがない方にする場合には延命治療になり得ます。


また、点滴の栄養でもデメリットがあります。

一つは、点滴のところからバイ菌が入り、感染を起こす危険があること、もう一つは、点滴に時間がかかるため、1日のうちほとんどが管につながった状態になってしまうことです。

ちなみに現代の医療常識では、胃腸に問題がなければ、まずは胃ろうなどの胃腸からの栄養剤から始めることとされています。


このように、「胃ろうがダメで点滴は良い」ということではなく、「口から食べられない時に外から栄養を入れるかどうか」が問題なのです。


◆ご本人にとって何が大切か

今までお話したように、口から食べられなくなった時にどうするかを決めるのは正しい答えがなく、とても難しいことです。


一つの目安は、「今後回復する見込みがどれくらいあるのか」です。回復する見込みが高いのであれば、積極的にやってもよいのかなと思います。

これについては、主治医の先生方に聞いてみるのが一番です。


難しいのは、「回復する見込みがない」時です。

延命治療がすべて悪いわけではありませんが、場合によってはご本人が望まない延命治療につながる可能性があります。


大切なことは、ご本人が何を望んでいるか、何を大切にしたいかと考えることなのだな、と日々感じます。


栄養を摂るということは、命に直結します。

ご本人、ご家族、そのほかの関係者みんなで話し合って、納得できる最善の方法を選択するしかないと思います。

<終>


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2021/09/26

「お看取り」とは?

「お看取り」と聞くと、皆さんはどんなイメージを抱くでしょうか。 

「縁起が悪い」と感じる方や、「そんなこと考えたくない!」という方もおられると思います。


大事な人がこの世を去るということは耐えられないほど悲しいことです。

私も大切な人が亡くなってしまったことを思い出すと、とても悲しい気持ちになります。


しかし、人間を含め、全ての生き物の命に限りがあることは避けられない事実です。

そしてその最期の時をどう迎えるかということは、その方の人生にとってとても大切なことではないでしょうか。


とはいえ、人生において看取りの経験をすることは少ないと思いますし、イメージがつかない方も多いことと思います。


私は、これまで医師として最先端の総合病院から介護施設、在宅医療まで、様々な場所で多くの方の最期に立ち会わせて頂きました。

私も「人の幸せな最期」というものを模索しているところですが、今までの経験を元に、看取りに対する一般的な心構えを述べさせて頂こうと思います。

◆「人が死ぬ」とはどういうことか

実は、医学的な「死亡」とは厳密に定義することが難しいのです。

というのは、心臓が止まっても、細胞レベルでは人はまだ生きているからです。

実際、死亡診断がなされた後も爪や髪は伸びます。


そこで、私たち医師は、一般的に以下の3つを確認すると、死亡診断をします(脳死の場合を除きます)。

・心拍(心臓の動き)の停止

・呼吸の停止

・脳の動き(対光反射)の消失

そして、人が亡くなるプロセスでは、即死を除いて、この3つが順番に進んでいきます。

この時間経過や順番は病気によりますが、


・脳の動きの消失(意識がなくなる)→呼吸が止まる→心臓が止まる


という順番で、1~2日で経過することが多いと思います。

◆人はどのように最期を迎えるのか

事故や心臓発作などの予期せぬ出来事を除けば、ここに至るまでにはおおよそすべての方が同じような経過をたどります。

それは、 


・まず、動けなくなり寝たきりになる

・そして、食べる量が減ってくる

・水分の量も減ってくる

・そのうち眠ることが増える

・尿の量が減ってくる

・最期が近くなると意識がなくなり反応しなくなる


という流れです。

参考:日本緩和医療学会「これからの過ごし方について」

このスピードは、がんであったり、老衰であったり、病気によって異なりますが、たどる流れは同じです。

そして、これは寿命が尽きた植物が枯れるように、自然な流れでもあります。

おそらく多くの方は「痛みや苦しみがない」最期を望まれるのではないかと思います。

しかし、残念ながら病気によっては最期に痛みや苦しみが伴ってしまう場合があります。

その場合は、苦痛をとりのぞくお薬がちゃんとありますので、ご安心いただければと思います。

◆まずは本人の意向を確認

やはり多くの方はずっと生きていたいと思っておられるのではないでしょうか。

しかし、どうせ死が避けられないのであれば、自分が望む最期を迎えたいという方も多いと思います。

それを叶えたい、叶えてあげたいと思うのであれば、まずはご本人がどう思っているのかを確認することが最初の一歩です。


大事なことは、ご本人の意思確認ができるうちにしておくことです。

とはいっても、いきなりこのような話はしづらいと思います。

例えば、有名人が亡くなったニュースや、近所の方が亡くなったりした時がよいきっかけかも知れません。

◆話し合っておかないといけないこと

それでは、具体的にはどんなことを話し合っておくべきなのでしょうか?


一番大切なことは、その方が「最期の時にどんなことを大切にしたいか?」を共有しておくことだと思います。

なぜなら、後に決めるべきことはすべて、これが原点となるからです。

なかなか難しいと思いますが、まずはその方が迎えたい最期のイメージを共有することから始めるとよいと思います。

例えば、どこで、どんな風に、だれと、どんな表情で、といったことです。

そして、そのように思うのはなぜか、まで話し合えるとより理解が深まります。

◆決めておいた方がよいこと

ご本人が意思表示できない状態になってしまった時、医療の現場では重大な決断をご家族にお願いすることがあります。

これはご家族にとっては大変なストレスになってしまいます。

ご本人が望む最期を叶えるためにも、ご家族が困らないためにも以下のことをあらかじめ決めておくとよいと思います。


1. 延命治療について

延命治療という言葉はよく聞くと思いますが、実は明確な定義はないのです。

一般的には、「回復が期待できない、つまり治療を尽くしても元には戻らない状態になった際に、命を生き永らえる方法を選択する」ことになるかと思います。

しかし、この選択はとてもむずかしく、悩ましいと感じます。


参考記事:延命治療する?しない?


実際は医療者などと相談の上、最終的に決めることになると思いますが、

「そのような状況になった時にどうしたいか、どうしてほしいか」をご本人から聞いておくだけでもかなり違うと思います。

2. 人工栄養(胃ろうなど)をするかどうか

これも延命治療と似ていますが、口から栄養をとれなくなった時にどういった方法を選択するかです。

先ほどのように、最期が近づくと自然に人は口から栄養をとることができなくなってきます。


そういった場合に、胃ろうや太い点滴(中心静脈カテーテル)から栄養を注入する方法があります。


このような方法を選択すると、食べない場合と比べて寿命を延ばすことができます。

しかし、一方でデメリットもあります。 


この選択には正解はなく、どちらを選ぶかは個人の価値観しだいです。

なので、人工栄養に対する考えもあらかじめ聞いておくとよいでしょう。

3. 財産の管理

これは医療・介護とは直接的に関係はないのですが、決めておいた方がいいことなのでご紹介します。


例えばご本人の意識が不明になってしまったり、認知症にかかってしまったりすると、お金が必要な時でも銀行の口座から引き出すことが難しくなります。


また口座はご本人が亡くなると凍結され、預金を引き出すことができなくなってしまいます。


このような時に備えて、後見人制度や資産承継信託といった仕組みがあります。


さらに、生命保険や疾病保険などの受け取りも申告しなければできません。


まずはご本人が持っている銀行の口座や、加入している保険を把握し、対応を決めておいた方が安心です。

◆自宅で看取るにはどうしたらいい?

ご自宅で最期を迎えたいとご希望される方も少なからずおられると思います。


実際にアンケートでも、そのように希望される方が多い結果でした。

出典:平成29年度人生の最終段階における医療に関する意識調査 結果(確定版)


少し前までは病院で亡くなる方が多く、自宅でのお看取りはハードルが高いことでした。


しかし、近ごろでは制度も整ってきており、自宅で最期を迎えることは決して手の届かないことではなくなってきました。


一番のご不安は体調や容体が変化していくことではないでしょうか。


ご家族だけで見ていくのは難しく、専門スタッフの介入が必須となります。


具体的には、訪問診療や訪問看護という医療サービスです。

参考記事:在宅医療ってなに?外来との違いは?


最期が近い時期にはほぼ毎日ご自宅に来てくれますので、不安や心配事を伝えることができます。

<まとめ>

・望む最期を迎えるためには、まず本人の意向を確認する

・「延命治療について」「人工栄養について」「財産管理について」をあらかじめ決めておく

・訪問診療や訪問看護をうまく活用すれば自宅での看取りも可能


いかがでしたでしょうか。


「看取り」は考えたくないことですが、必ず来ることでもあります。

後悔がなるべく少なくなるよう、しっかりと向き合うべきことだと思います。


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日本内科学会認定総合内科専門医・日本感染症学会認定専門医
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2021/09/18

【みんなどうしてる?】転倒を防ぐ方法

ご自宅の介護では、転倒は大の天敵です。 

実際に、転倒による骨折や脳出血をきっかけに弱ってしまう方は多数おられます。

そして、転倒は予防が一番大切です。


参考記事:あっ危ない!!転倒を防ごう!


しかし、転倒は予防が大切、とわかっていても「実際どうしたらいいのか分からない!」という方も多いと思います。


では、実際に介護している方たちはどのように予防されているのでしょうか?


進行性核上麻痺という神経の難病をもつお父様を介護されている、もよさん。

ご病気の症状のため転倒してしまうことが多く、ご苦労されているそうです。



そこで、このような方法で転倒を予防しているそうです。



もよさんの場合、ご本人にお願いするものは難しいようですね。

それでも色々な道具を活用されて工夫していますね。


さらに詳しくお知りになりたい方はもよさんのブログもご覧ください。

四姉妹と介護のブログ


パーキンソン病をお持ちのYOKONOさん。

パーキンソン病は脳の異常により、体が思うように動かなくなってしまう難病ですが、その症状のためスリッパで転倒しやすいそうです。

そこで、すべり止めのついた室内履きを活用されています。



スリッパでつまづいたり、すべって転倒してしまう方も多いので、よい方法だと思います。


tttdragonさんのお父様の場合は、夜の頻回なおトイレが転倒の原因になっているようです。

同じお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

tttdragonさんの場合は、ベッドわきにポータブルトイレを配置し、夜間だけその動線を手すりでつなぐことで転倒を防いでいるそうです。


夜間、トイレにいく途中で転倒してしまうという事故はよく起こります。

その理由は、暗くて見にくかったり、トイレが間に合わなくてあせってしまうことなどが原因でしょう。


リハビリの専門職、理学療法士であるレオさんのオススメは、「押し入れトイレルーム」です。

これにより、トイレまでの距離を大幅に短くすることができます。


直接的ではないですが立派な転倒予防の方法だと思います。

自宅改修業者さんが相談に乗ってくれます。


また、先ほどもよさんが活用されていた手すりですが、手すりもいくつかタイプがあります。


状況によって最適なタイプを選ぶことが大事なようです。


<まとめ>

・転倒予防には様々な方法があるが、合った方法を選ぶ。

・夜間のトイレ対策も転倒予防になる。

・手すりには色々なタイプがある。


いかがでしたでしょうか。

実際にご自宅で介護されている方々の転倒予防をご紹介しました。


皆さん色々な工夫をされていますよね。

ぜひご参考にしてみてください。


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