在宅お役立ち情報

care-eco's magazine

2021/01/01

お通じ、ちゃんと出ていますか?

お通じの習慣は非常に大切です。 

私たちも便秘になると体調が悪くなってしまいますよね。特にご高齢の方は便秘により元気がなくなってしまったり、食欲が落ちてしまったり、お腹が痛くなってしまったりと、トラブルの元になります。また、認知症をお持ちの方では便秘により症状が悪化したりすることもあります。このように便秘は在宅療養の大敵です。

今回はお通じを良くするためのポイントをお伝えしたいと思います。


■便秘解消のポイント

まずは生活習慣の改善が基本になります。具体的には以下の内容です。

  • 充分な水分
  • 食物繊維
  • 運動

これらはよく言われていることですが、毎日きちんと意識することでかなり変わってきます。


■水分

水分量と排便の量には比例関係があるというデータがあります。便秘の方はまず意識的に水分を多めにとるようにしましょう。200~300mlずつ目安に増やしていくのが良いと思います。水分を取るのが苦手、という方もおられると思いますが、一度にたくさん飲むのではなく、間隔を狭めて少しずつ取るのが良いでしょう。

ただし、病状によっては水分量が制限されている場合もあります(心不全や慢性腎臓病など)。

不安な時は主治医の先生に確認してみましょう。


■運動

運動をすることで腸の動きが活発になり、排便習慣の改善につながります。

運動といっても、可能な範囲で少し歩いたり、立ったりするだけでもOKです。


■食物繊維

1日18~20g摂取することが推奨されています。これはおよそリンゴ5~6個分に相当する量で、かなり多いと感じるかも知れません。しかし、食物繊維を多く含む食品をうまく組み合わせることで無理なく摂取できるようになります。

以下に食物繊維を多く含む食品の例を挙げます(カッコ内は食品100gあたりの食物繊維量)。

 寒天(74.1g)

 ひじき(51.8g)

 切干大根(21.3g)

 エンドウ豆(17.9g)

 おから(11.7g)

 大麦(10.3g)

※文部科学省「日本食品標準成分表2020年版」

特に大麦は白米に混ぜたりすると無理なく食べられて良いでしょう。

また、最近では水分によく溶ける粉末状の食物繊維も市販されていますので、お茶やお味噌汁に溶くのも良いと思います。


■お薬

以上のような生活習慣改善を試してもダメな時は、お薬に頼ることも必要です。主治医の先生に相談してみましょう。

ただ一方で、下痢になりすぎてしまい介護負担の増加につながる場合もあるなど、バランスを取るのが結構難しいので注意しましょう。

また、センナが主成分の下剤(赤い粒など)は、長期間毎日使うと効果が弱くなることがあります。もし効きが弱くなってきたと感じたらお薬の変更も検討して頂くと良いでしょう。


いかがでしたでしょうか。参考にして頂ければ幸いです。

生活習慣を整えて、すっきりな毎日が過ごせるといいですね。