在宅お役立ち情報

care-eco's magazine

2021/09/03

在宅介護で使えるサービスの種類

いざ介護を始めるにあたり、まずは介護保険の利用申請をします。

介護保険の利用が認められたら、今度はサービスを選びます。


参考記事:はじめての介護5ステップ


では、実際に自宅で介護する場合、介護保険でどんなサービスが使えるのでしょうか。

まず大きく分けて、こちらから行く(施設型)、来てくれる(訪問型)の二つに分かれます。

これらを目的やご家庭の状況に合わせて組み合わせていくことになります。

介護保険では、介護度に応じて使える金額が決まってきます(利用限度額)ので、この範囲内で組み合わせていきます。

ここからは、在宅介護で使えるサービスを目的別にご紹介していきます。

(2021年9月時点の情報です)


◆自宅で家事や介護を手伝ってほしい

ご家族だけでは介護が不安であったり、負担が大きいという方におすすめです。


1. 訪問介護

訪問型サービスで、介護福祉士の資格をもったスタッフが自宅に来てくれ、家事や介護を手伝ってくれます。

入浴・排せつ・食事の世話といった体に触れる「身体介護」、掃除・調理・洗濯といった体に触れない 「生活援助」の2種類があります。

お買い物の代行などもしてくれます。

ただし、例えば同居ご家族の食事の支度など、ご本人の範囲を超えた家事はできません。

また、予め曜日や時間帯は決めておく必要があり、緊急時などの対応は基本的にはできません。


料金の目安(自己負担は1~3割)

身体介護(30~60分の場合) 約4,000円/1回あたり

生活援助(45~60分の場合) 約2,000円/1回あたり

(※加算、条件により変動します)


2. 定期巡回・随時訪問型訪問介護看護

名前の通り、定期的な訪問、臨時の訪問に対応してくれる訪問介護、訪問看護のセットです(訪問看護については後述します)。

1日に複数回の「短時間(10~15分)の定期訪間」に加えて、緊急時には通報などによる「随時の対応」も24時間対応してくれます。

例えば、「昼間は誰も見ている人がいないけれども、ちょっと心配」という方や、「一人で介護するのが大変で、いざという時に誰かに助けに来て欲しい」という方におすすめです。

訪問回数に関わらず、料金は定額なので安心です。

デメリットとしては、料金が比較的高額なサービスなので、限度額を考えると他にサービスを使いにくくなってしまう点です。

また、比較的新しいサービスのため、提供している事業所が限られています。


料金の目安(自己負担は1~3割)

訪問看護なしの場合

要介護1の方 約60,000円/月 

要介護2の方 約100,000円/月

要介護3の方 約160,000円/月

要介護4の方 約210,000円/月

要介護5の方 約260,000円/月

(※加算、条件により変動します)


訪問看護ありの場合

要介護1の方 約80,000円/月 

要介護2の方 約130,000円/月

要介護3の方 約200,000円/月

要介護4の方 約240,000円/月

要介護5の方 約300,000円/月

(※加算、条件により変動します)


3. その他

介護保険は使えませんが、利用限度額に関わらず必要な時に利用できる自費サービスや、地域のボランティアさんがお手伝いにきてくれる地域サービスなどもあります。これらもうまく活用できると良いと思います。


◆体調の相談や管理をしてほしい

ご病気をお持ちで、体調が心配な方におすすめです。


1. 訪問診療

訪問診療は、外来に通う代わりに医師が定期的にご自宅や介護施設に伺い、診察や検査、おくすりの処方をするというサービスです。

基本的には月2回の訪問で、通常の外来より頻度が多いため手厚く診療ができます。また、緊急時には予定外の訪問も行います。

気になる費用ですが、イメージとしては個人宅では月37,000円、老人ホームなどの介護施設では月20,000円が基本でかかり(※条件により変動します)、緊急の訪問や処方で追加されます。

もちろん医療保険が使えますので、この金額のうち1~3割が自己負担となります。


参考記事:在宅医療ってなに?


2. 訪問看護

その名前の通り、看護師が訪問して体調管理をします。

普段の様子を見たり、血圧測定などから、体の状態を判断してアドバイスしてくれます。

そのほか、必要に応じて点滴も行ったり、リハビリもしてくれます。また訪問で得られた情報は、主治医との連携で共有されます。

基本的には決まった曜日に定期的に訪問してくれますが、体調が変化した時には緊急で様子を見にきてくれますので、いざという時に大変安心です。

同じ訪問看護でも、例えばがんの対応に慣れていたり、リハビリが得意だったりと特徴があります。


料金の目安(自己負担は1~3割)

20分未満の場合 約2,000~3,000円/1回あたり 

30分未満の場合 約4,000~5,000円/1回あたり 

60分未満の場合 約5,000~8,000円/1回あたり 

(※加算、条件により変動します)


3. 定期巡回・随時訪問型訪問介護看護

先ほどご説明した定期巡回・随時訪問型訪問介護看護では介護だけでなく、訪問看護も付けることができます。

訪問看護だけでは体調変化の時に対応がむずかしいため、ご病気のために体調に不安がある方には訪問看護も付けておくことをおすすめします。


◆人と交流できる日中の居場所がほしい

◆自宅外で本格的にリハビリを受けたい

お年を取ると、どうしても体力が低下してきてしまいます。体力が落ちると、閉じこもりがちになり、認知機能の低下や気力の低下につながります。そしてさらに体力が落ちてしまうという悪循環になってしまいます。

そのため家に閉じこもらないよう社会とつながりをもち、体力を維持することが大切になります。


1. デイサービス(通所介護)

施設型のサービスで、日中のみ施設に通って食事をしたり、レクリエーションをして過ごします。入浴ができる施設もあります。

場所によってはリハビリに特に力をいれているデイサービス(機能訓練特化型)もあります。

同じように介護を受けている人が集まりますので、社交の場にもなります。

また、日中の間ご家族さまは介護をお休みすることができます。

今は特色があるデイサービスが増え、雰囲気なども全く違いますので、比較検討されながらご利用者様に合ったところを探すのが良いと思います。


料金の目安(自己負担は1~3割)

要支援の方  市町村で異なります

要介護1の方 約6,000~7,000円/1日 

要介護2の方 約7,000~9,000円/1日

要介護3の方 約8,000~10,000円/1日

要介護4の方 約9,000~12,000円/1日

要介護5の方 約10,000~13,000円/1日

(※加算、条件により変動します)


2. デイケア(通所リハ)

こちらも施設型のサービスですが、デイケアは正式名を通所リハビリテーションといいます。デイサービスとの大きな違いは、病院のように専属の医師がいて本格的なリハビリを受けられる点です。


料金の目安(自己負担は1~3割)

要支援の方  約20,000~40,000円/1か月

要介護1の方 約8,000円/1日(7~8時間) 

要介護2の方 約9,000円/1日(7~8時間)

要介護3の方 約10,000円/1日(7~8時間)

要介護4の方 約12,000円/1日(7~8時間)

要介護5の方 約14,000円/1日(7~8時間)

(※加算、条件により変動します)


◆自宅でリハビリを受けたい

・訪問リハビリ

通いが大変・苦手という方には訪問リハビリがあります。

週に1~2回、ご自宅にリハビリの専門職がお伺いして40分程度おうちで運動します。

また普段の日常でも続けられるような運動のやり方も教えてくれます。


料金の目安(自己負担は1~3割)

約3,000円/1回あたり

(※加算、条件により変動します)


◆自宅で入浴したい

・訪問入浴

ご自宅に、介護用の特殊なお風呂を持って介護職員が訪問してくれ、入浴介助もしてくれる訪問型サービスです。

このサービスを使えば、ご自宅のお風呂に入浴できなくなってしまった人でも、定期的に入浴することができます。

体調によっては利用できない場合もあります。


料金の目安(自己負担は1~3割)

要支援の方  約8,500円/1回あたり

要介護の方  約13,000円/1回あたり 

(※加算、条件により変動します)


◆少し介護を休みたい

・ショートステイ

施設で一定期間宿泊ができるサービスです。

介護でご家族がお疲れになった時のためにご利用頂けます。

連続しての利用は30日以内になります。


料金の目安(自己負担は1~3割)

要支援の方  約5,000~7,000円/1泊

要介護1の方 約6,000~7,000円/1泊 

要介護2の方 約7,000~8,000円/1泊

要介護3の方 約8,000~9,000円/1泊

要介護4の方 約8,000~10,000円/1泊

要介護5の方 約9,000~10,000円/1泊

(※加算、条件により変動します)


◆自宅を介護しやすく改造したい

1. 自宅改修

ご自宅で過ごしやすくするために、例えば手すりをつける、段差を無くす、トイレを改造するといった工事をした方がよい場合があります。

その場合、介護保険が適応になります。

ただし、事前の申請が必要なため、必ず担当のケアマネジャーにご相談してください。


2. 福祉用具レンタル

車いす、ベッド、歩行器、手すりなどは購入すると高価ですが、介護保険を使ってレンタルすることが可能です。

福祉用具専門相談員がいる福祉用具店で取り扱っています。


◆「施設」と「訪問」のハイブリッド!小規模多機能型居宅介護って?

1. 小規模多機能型居宅介護

比較的新しいサービスの形です。ざっくり言うと、定期巡回・随時訪問型訪問介護看護、デイサービス、ショートステイを一つの事業所で提供するイメージです。

特徴としては、


・同じ施設でデイサービス、ショートステイが利用できる

・24時間365日必要な時に介護のお手伝いが受けられる

・月額定額制なので安心


といった点があげられます。

条件として、地域密着型といって、住んでいる市町村の施設しか利用ができません。

他施設のデイサービス、ショートステイ、訪問介護などは受けられなくなります。

またケアマネジャーは自動的に事業所所属の方が担当します。


基本料金の目安(自己負担は1~3割)

要支援1の方  34,380円/月

要支援2の方  69,480円/月

要介護1の方  104,230円/月 

要介護2の方  153,180円/月

要介護3の方  222,830円/月

要介護4の方  245,930円/月

要介護5の方  271,170円/月

(※加算、条件により変動します)


2. 看護小規模多機能型居宅介護

先ほどの小規模多機能型居宅介護に訪問看護が付いたサービスです。

体調に不安がある方はこちらをおすすめします。

料金は、月額20,000~40,000円(自己負担は1~3割)が上乗せになります。


いかがでしたでしょうか。

介護保険が使える在宅介護サービスにもこれほどたくさんの種類があります。

今の困りごと、これから困るであろうことから、サービスを正しく選ぶことが在宅介護の肝になります。

お一人お一人によって、適切なサービスの組み合わせや内容は変わります。ケアマネジャーにご相談頂くか、ケアエコの相談サービスをご利用ください。


在宅医療・介護のお悩み解決プラットフォーム

これからの介護がご不安な方に

安間 章裕(アンマ アキヒロ)
日本内科学会認定総合内科専門医・日本感染症学会認定専門医
2010年 浜松医科大学医学部卒業。亀田総合病院総合診療科、感染症科での研鑽を経て、茨城で在宅医療の立ち上げを行う。その後、地元である静岡県で感染症業務、在宅医療に携わっている。